2017年7月18日

EVO2017を終えて

EVO2017は劇的な終わりを迎えた。モニターの前で目頭が熱くなった。実況のチェンおじことジェームズ・チェンは顔を真赤にして泣いていた。日本配信に登場したネモの声も細かく震えていた。ときどの笑顔がいつまでも脳裏に残っていた。

格闘ゲームをする人は、誰よりも強くなりたいと思っている。それも、できれば自分の好きなキャラで。
スト5は、色々と問題を抱えたタイトルである。EVOでコミカルな重量級のアビゲイル(ファイナルファイトの敵キャラ)を発表するという空気の読めなさは、未だにスト5の先行きが暗雲としていることを象徴している。他社の鉄拳が餓狼伝説のギース追加を、ブレイブルーがペルソナ・UNI・BB・RWBYのタッグバトル作品を発表したこととの落差がすさまじい。Youtubeの大量の低評価はスト5ファンの落胆の気持ちである。
しかしスト5がどのキャラでも戦えるゲームを目指していることは嘘ではない。調整がベイビーとトッププロが苦言を呈する有様でも、EVOTOP8のキャラがすべて異なるのはなかなか見られないことである。

EVO3日目。いつものように波乱に満ちた1日目・2日目だったが、現状スト5最強のPUNKと去年のCC覇者ナックルドゥはウィナーズで通過した。二人の内どちらかが優勝するだろうという予想が大半を占めた。
TOP8の1試合目、板ザン対PUNKは、PUNKの被せナッシュが機能し全く危なげなく3-0のストレート勝ちで終わった。ここで板ザンがPUNKに勝つビジョンは見えなくなった。
ナックルドゥを破ったかずのこ対PUNKは、PUNKの仕上がりが尋常ではない事を見せつけられた。上から降ってくるだけ、と揶揄されるほど、ダイブキックにかけては世界一のかずのこの攻めを、決して対空が強いとはいえないかりんで完璧にさばききり、またもや3-0で勝利した。昇竜釣り手前落ちストライクの着地に大Pからコンボを決め最速EXストライクをEX烈殲破で落とし、遠目の飛びをEXテンコで落とすのは人間をやめていると思えた。
前日PUNKに破れルーザーズにおちたときどは、全1ダルシムのピーノと熱戦を繰り広げ辛勝した。試合後抱き合う二人の姿はいいものだった。
そのままときどは勝ち進み、ルーザーズファイナルはかずのこ対ときど。かずのこは先程の戦いからPUNKに勝てると思えず、唯一の希望として皆ときどの勝利を望んでいた。ときどはかずのこを破った。

決勝、ルーザーズ側のときどは1度負けているため、優勝するにはPUNKに6回勝たないといけない。そして、ここまでPUNKは1セットも落としていない。優勝の条件がどれほど過酷なのか、説明せずとも分かることだろう。「無理ゲー」と言う人もいた。熱心なときどのファンの中には負ける姿が見たくなくて寝た人もいた。EVOはラスベガスで行われているため3日目は日本時間深夜2時から始まり、決勝は正午近くだったのである。眠気のピークである。

決勝が始まった。ときどはPUNKを壊した。PAコンボ・瞬獄殺での止めを決め、PUNKの代名詞中足確認を立ち中Kで潰した。今まで見たこともないほどPUNKは動揺していた。リセット後、ときどは勢いにのってPUNKを叩きのめし、優勝した。これが10先でも間違いなくときどが勝つだろう、そう確信するほどの完勝だった。

インタビューで一緒にカリン対策をしたプレイヤーとして、プールで溺死したかりん使いのマゴの名を上げ、皆が天国のマゴさんのことを思い出した。
インタビューの最後、ときどはこう語った。

「格闘ゲームは素晴らしい」